医師の英文CV 書き方と例 (2026)
医療のCVは他の職種より長く、成果より資格を先に置きます。登録情報、専門医資格、研修段階が、残りを読むかどうかを決めます。
日本の医師が海外に応募するとき最もつまずくのは、翻訳ではなく換算です。専門医、医局、後期研修、初期臨床研修は英語圏の研修体系に対応語がなく、日本の外来患者数はそのまま書くとかえって疑われます。以下は各項目を海外の審査者が検証できる形に置き換える方法です。
サンプルが英語である理由
このページのレジュメサンプルはすべて英語で書かれています。実際にそれを読むのが英語圏の採用担当者であり、その前に書類を選別するATSも英語を前提に解析するためです。解説は日本語で、レジュメは英語で — 海外・外資系への応募に必要なのはこの形です。

医療のCVには、検証できる個別の事実がどの職種よりも多く入ります。登録番号、受験年、研修過程、監査のサイクル、論文、修了した講習。1カラムのレイアウトであれば、それぞれが対応する年と同じ行で読まれます。2カラムの医療用テンプレートは資格と取得年を切り離しがちですが、その組み合わせこそ医療人事が最初に確認するものです。
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Contact and registration
肩書きと氏名、登録情報、メールアドレス、電話番号(国番号つき)、都市と国。登録情報をヘッダーに置くことが要です。日本の医師免許は "Medical Licence, Ministry of Health, Labour and Welfare, Japan (No. 000000, 2016)" の形で書き、応募先の国での登録状況をその下の行に添えます。GMCへの申請中ならその事実を、ECFMG認証を取得済みなら認証番号を書いてください。証明写真、生年月日、配偶者の有無は入れません。
Professional profile
3〜4行で、専門科、医師免許取得後の年数、勤務した医療機関の種類、そして根拠をひとつ(監査の結果や論文数)。職位は正確に置き換えてください。"senior doctor" のような表現には情報がありません。日本の段階を英語圏の基準に換算して併記するのが安全です。後期研修3年目は "third-year specialty trainee in internal medicine (equivalent to UK ST3)"、医員・助教は "clinical fellow"、専門医取得後は "board-certified specialist (equivalent to UK post-CCT)" です。
Qualifications and registration
医師国家試験、専門医資格、サブスペシャルティ、そして応募先の国の試験を、それぞれ認定機関と年とともに書きます。"National Medical Practitioners Qualifying Examination, Japan, 2016"、"Board Certification in Internal Medicine, Japanese Medical Specialty Board, 2021" の形です。米国を目指すなら USMLE Step 1、Step 2 CK の受験年と ECFMG 認証の有無を、英国なら PLAB 1・2 または UKMLA と IELTS 7.5 または OET B を書きます。受験予定であれば予定日を書いてください。空欄よりましです。年はすべて西暦にします。
Clinical experience
勤務ごとに、職位、専門科、病院、期間。そして実際に担ったもの — 受け持ち入院患者数、外来患者数、処置件数、当直の規模、指導した後輩の人数。ここで日本の医師が最もよく失敗します。1日の外来70〜100人は国内では平凡でも、英国や米国の審査者には非現実的に読まれます。診療形態を添えて説明してください。"outpatient clinic averaging 70 patients per session in a fee-for-service system with 5–7 minute consultations" と書けば、その数字がそのまま根拠になります。病院には病床数を括弧で添えます。医局人事による関連病院への出向が続く経歴は、転職の繰り返しに見えることがあるため、"rotational postings within the university's affiliated hospital network" と一句で説明してください。
Audit and quality improvement
独立した欄を与え、サイクル全体を書きます。問題、介入、測定された変化、そして再監査の有無。英国式の clinical audit に対応する日本の活動は、院内のQI活動、病院機能評価やJCI認証の準備、診療の質評価への対応です。JCI認証に関わったなら明記してください。海外の審査者がそのまま理解できる基準です。データ収集だけで終えたものを監査として書くと、面接で必ず問われます。
Publications, presentations and teaching
論文はバンクーバー形式で書き、PubMed にあれば PMID を添えます。英文の査読誌はそのまま通りますが、国内学会誌は "peer-reviewed, Japanese-language journal" と性格を添えてください。学会発表は学会名と口演・ポスターの別を書きます。国内学会は英文の正式名称を使い、国際学会かどうかを明示してください。教育歴は対象と人数を書きます。初期研修医や医学生の指導歴は、英語圏の応募で実際に評価される項目です。
Courses and certifications
BLS、ACLS、ATLS、JATEC、ICLS、Good Clinical Practice、そして専門科別の講習を、発行団体と年とともに書きます。発行団体が重要です。米国と中東の病院は AHA 発行の ACLS を求めることが多く、日本国内の団体発行だけの場合はその事実が見えているほうが親切です。蘇生関連の資格は失効するため、年がそのまま有効性を示します。
ATS keywords
以下のキーワードは翻訳しません。ATSが英文の求人票と照合する文字列そのものなので、あなたのレジュメにも英語のまま入っていて初めて一致します。
日本の履歴書と英文レジュメの違い
- 日本の職位をそのまま訳し、英語圏の等価を併記しないこと。「医員」は海外の審査者に段階情報を与えません。
- 外来患者数を診療形態の説明なしに書き、非現実的に読まれること。
- 医局人事による関連病院の異動を説明なしに並べ、短期の転職の連続に見せること。
- 専門医資格を認定機関と年なしで書くこと。検証できなくなります。
- USMLEやPLABの受験計画を一切書かないこと。予定日でもあるほうがましです。
- データ収集だけの活動を完了した監査として書くこと。
- 証明写真、生年月日、配偶者の有無を入れること。
日本の専門医資格は海外で通用しますか?
自動的には通用しません。米国は ECFMG 認証と USMLE、そして多くの場合は米国内でのレジデンシーをあらためて求めます。英国は GMC 登録を PLAB または UKMLA の経路で受け、一部の専門科は海外の専門医資格を GMC の Specialist Register 登載審査(CESR 経路)で評価してもらえます。CVでは資格そのものと、その国での登録状況を必ず分けて書いてください。
初期臨床研修と後期研修はどう書きますか?
初期臨床研修の2年は "two-year mandatory postgraduate clinical training (rotational, equivalent to UK Foundation Programme)"、後期研修は "specialty training" と書き、何年目かを添えます。日本の研修体系を知らない読み手のために、初期研修が全診療科をまわる必修課程であることを一句で説明しておくと、経歴の一貫性が正しく伝わります。
日本の外来患者数をそのまま書いてよいですか?
数字はそのままで構いませんが、文脈を添えてください。1日70人は事実でも、診療時間と医療提供体制を説明しなければ誇張と読まれます。1件あたりの診療時間、支援するスタッフ、検査へのアクセスを一句で添えると、その数字が処理量の根拠になります。
医療CVは何ページが適切ですか?
2〜4ページが一般的で、論文の多い応募者はさらに長くなります。医療CVは1ページ原則の最も明確な例外です。監査のサイクル、論文、学会発表、修了した講習がそれぞれ別に評価されるため、圧縮すると評価対象そのものが減ります。
中東の病院に応募する場合は何が変わりますか?
国籍とビザの状況をCVに書くのが標準で、ライセンスの手続きも別にあります。サウジアラビアは SCFHS、ドバイは DHA、アブダビは DOH、カタールは QCHP で、それぞれ Prometric 試験を求めます。加えて DataFlow による原本確認に数か月かかるので、その進捗を登録の欄に書いておいてください。逆に米国・英国向けには国籍と写真を入れません。