金融・銀行の英文レジュメ テンプレートと例文 (2026)
金融の採用は、ほぼどの業界より厳しく書類を絞ります。人が読む前に、正確さ、基準のある数字、そして資格が確認されます。
日系の職務経歴書をそのまま英訳すると、2か所で崩れます。円建ての金額は海外の読み手に規模が伝わらず、みずほ・大和・地銀といった名前はそれ自体では何の情報にもなりません。以下は、与信・法人営業・監査・経理の経験を海外の採用担当者が読める形に置き換える方法です。
サンプルが英語である理由
このページのレジュメサンプルはすべて英語で書かれています。実際にそれを読むのが英語圏の採用担当者であり、その前に書類を選別するATSも英語を前提に解析するためです。解説は日本語で、レジュメは英語で — 海外・外資系への応募に必要なのはこの形です。

金融は保守的な業界で、レジュメもそう見えるべきです。整った1カラムのレイアウトは業界が期待する印象を与えると同時に、解析の段階を通過します。与信や監査の職種は応募が集中するため、人が見る前にほぼすべてのファイルがATSを通ります。色数の多い区切られたテンプレートは、数値と資格を散らばらせます。
職種から探す
Contact information
氏名、業務用メールアドレス、電話番号(国番号つき)、都市と国、そして完全なLinkedIn URL。金融は関係性の業界なので、LinkedInのプロフィールは実際に確認されます。証明写真、生年月日、性別、詳細な住所は入れません。日本の職務経歴書にある「志望動機」も英文レジュメには置かず、その内容はカバーレターに移します。
Professional summary
3〜4行で、経験年数、専門領域(リテール、法人金融、与信、トレジャリー、経理)、そして基準点のついた代表的な数字をひとつ。基準点が要です。「担当与信残高310億円」だけでは、それが大きいのか小さいのか海外の読み手には判断できません。"managed a JPY 31B (approx. USD 205M) corporate book at a 0.6% NPL ratio against a 1.9% divisional average" と書いて初めて数字が根拠になります。
Work experience
すべての箇条書きを数字で始めます。取扱金額、ポートフォリオ規模、回収率、クローズした監査指摘、コスト削減、コンプライアンス評価。円建て金額には必ずドル換算を併記してください。社名のあとには1行の説明を添えます。"Sumitomo Mitsui Trust Bank (Japan's largest trust bank by assets)"、"Hachijuni Bank (regional bank, Nagano, approx. JPY 6T in assets)"。海外の採用担当者は日系の序列を知らず、調べてもくれません。在職期間は西暦で書きます。
Education
学士・修士、専攻(金融、会計、経営)、大学、卒業年。GPAは4.0満点であることを明記して書きます。日本の大学は海外での認知度に差があるため、必要なら1行の説明を添えてください。ただし経験が3年を超えたら、この欄は短くして職歴の下に移します。新卒一括採用で入社した場合、その事実は職歴側で説明します("joined through the annual graduate intake as a sogo-shoku generalist track hire")。海外の読み手はこの制度を知らず、初期のジョブローテーションが一貫性のなさに見えることがあるためです。
Certifications & licences
USCPA、CFA、FRM、公認会計士、税理士、証券アナリスト(CMA)は独立した欄に出します。進行中のものは段階と受験予定日まで書きます。"CFA Level II candidate, sitting Aug 2026" は信頼できますが「CFA勉強中」は情報になりません。日商簿記や証券外務員のような国内資格は海外の読み手が知らないため、発行団体と一言の説明を添えてください。"Bookkeeping Level 1, Japan Chamber of Commerce and Industry (highest of three grades)" 程度で十分です。
Technical skills
システム名をそのまま書きます。Bloomberg Terminal、Refinitiv Eikon、SAP FICO、Oracle FLEXCUBE、そして高度なExcel(pivot tables、VLOOKUP、financial modelling)、Power BI、SQL、VBA。勘定系が行内システムだった場合は名前を書いたうえで "in-house core banking platform" と性格を添えます。求人票に書かれたツール名は綴りどおりに反映してください。
Key achievements
表彰、優秀行員選出、無指摘で終えた監査、業務改善を、それぞれ数字とともに短くまとめます。金融のマネージャーが最初に目を通す欄です。日系金融機関特有の評価指標(キャンペーン達成率、支店評価ランクなど)はそのまま訳しても意味が通らないので、何を測る指標かを一句で説明したうえで順位や百分位を添えてください。"ranked 3rd of 214 branches on annual performance review" のように書けば伝わります。
ATS keywords
以下のキーワードは翻訳しません。ATSが英文の求人票と照合する文字列そのものなので、あなたのレジュメにも英語のまま入っていて初めて一致します。
日本の履歴書と英文レジュメの違い
- 円建て金額だけを書き、ドル換算を添えないこと。海外の読み手に規模が伝わりません。
- 日系金融機関の名前だけを書き、1行の説明を添えないこと。
- 在職期間や資格取得年を和暦で書くこと。西暦に統一してください。
- 資格(USCPA・CFA・公認会計士)を職歴の中に埋めたり、進行中の段階を曖昧に書いたりすること。
- TOEICのスコアだけを書くこと。英文レジュメでは点数より、業務で英語をどう使ったかが情報になります。
- 総合職としての初期ジョブローテーションを説明なしに並べ、一貫性がないように見せること。
- 保守的な業界に派手な2カラム・カラーのテンプレートを使うこと。
円建ての金額はどう書きますか?
円を先に書き、括弧内にドル換算を入れます。"JPY 31B (approx. USD 205M)" の形が最も安全です。為替は成果が出た時点を基準にし、approx. を添えてください。ドルだけだと国内の実績と突き合わせにくくなり、円だけだと海外の読み手が規模を判断できません。
日商簿記や証券外務員は英文レジュメに書く価値がありますか?
あります。ただし名称だけでは伝わらないので、発行団体と位置づけを一句で添えてください。日商簿記1級は "Bookkeeping Level 1, Japan Chamber of Commerce and Industry (highest of three grades)"、証券アナリストは "CMA, Securities Analysts Association of Japan" のように書きます。国際資格(CFA・USCPA・ACCA)があるならそれを先に置き、国内資格はその下に並べます。
取引先や借入人の名前を書いてもよいですか?
書かないでください。業種、規模、資本構成で説明します。社名の代わりに "a JPY 4.5B-turnover logistics group" と書きます。取引相手の名前を出すと、次の雇用主の顧客にも同じことをする人物と読まれ、契約上の守秘義務に触れる可能性もあります。
英文レジュメは何ページが適切ですか?
新卒とアナリスト級は1ページ、課長級以上は2ページまでです。英国の金融では2ページが一般的ですが、米国の投資銀行は職位を問わず1ページの原則をほぼ例外なく適用します。応募する市場に合わせて2種類を用意してください。
日系から外資系に移るとき、何を変えるべきですか?
自己PR的な記述を全部落とし、規制対応の経験を前に出してください。IFRS 9、バーゼルIII、AML/KYCを実際にどの業務で扱ったかを文脈つきで書けば、日系での経験が海外の基準に翻訳されます。フレームワーク名を並べるだけだと、面接の検証質問で崩れます。